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4. 費岩工法による空間演出

沿岸域の構造物の周辺が自然型景観と位置づけられる場合、景観デザインの方針は、構造物をできるだけ自然に近づけることになる。手法としては、平坦面に穏やかな凹凸を付けたり、直線的な形を曲線を主体にして、柔らかいデザインとすることや、コンクリート等の単調な平担面を岩石や植生などの自然物で覆い、自然物の持つ色彩やテクスチャーを利用する等で、自然な形に近づかせようとする。
一方、構造物を自然の地形に見立てデザインすることもある。日本庭園では、山、川、岬や浜などの自然地形に見立て、視点場を考慮して、純化、洗練させている。同様に、突堤を岬、離岸堤は島・岩礁としてデザインすれば、自然型景観における構造物の唐突感や異物感をなくすことが出来る。さらに、もう一歩進めて、構造物の外観形状の全体もしくは一部を岩場として表現しようとする場合に使用できるのが擬岩工法である。
4-1. 擬岩工法の概要
擬岩工法は、表面の岩肌を表現する技術(Table-3)と、それを用いて構造物を岩の形状に構築する技術(Table-4)に分けられる。これらにはいくつかの方法があるが、いずれの方法でも、完成後は内部にコンクリートを打設して一体化する。擬岩の材料は、凹凸の大きな薄板状に仕上げて耐久性を持たせるため、材料はセメントモルタルを用いる。施工上は岩の部分は埋設型枠の一種であり、施工〜コンクリート打設までの強度を確保するため繊維補強するが、ひびわれ発生防止効果もある。補強繊維は、ガラス繊維または炭素繊維を用いることが多い。色彩の表現は、モルタルに調合した顔料を練り込んでべースカラーとし、表面にペイント塗装や着色剤を用いて、色彩の細かい表現を可能にしている。
4-2. 擬岩のデザイン
小型でまとまりのある構造物は、全体を岩場として形成しやすく、無理のないデザインとなる。反対に細長い構造物(突堤や防波堤)の場合、全体を岩場にすると不自然に見える。擬岩を部分的に用いると、全体を引き締めたり、分節効果を発揮させることができ、元々岩礁が存在していたのを利用して、構造物を施工したというよ

Table-3 Construction methods of surface of artificial rock.

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Table-4 Construction methods of artificial rock.

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